雑記

購入した食品に異物が混入していた時の対処法

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もしも、あなたが購入した食品を食べている時に異物が混入していたらどうするだろうか? きっと楽しい食事の時間は台無しになるだろうし、もう二度とその企業の商品は買いたくなくなるだろう。そして、食事を台無しにされた事に対する怒りが湧いて、その企業に文句を言いたくなるかもしれない。しかし、少し待ってほしい。怒り任せに文句を言ったところでは根本的な解決にはならない。

今回は食品会社で約10年間品質管理の仕事をしていた筆者が、異物混入を発見した時の対応から、連絡方法、原因報告を受けるまでの一連の流れを具体的に説明していきたいと思う。

この記事を読むことで万が一の時に備え、冷静に対応する術が身に着くはずだ。

異物を発見した時にすること

以下に食品に混入していた異物を発見した時の対処法をまとめてみた。

商品の保管

未開封時

まずは異物を発見した時の状況について、商品が未開封(パッケージの外側から異物が見える状態)であれば絶対に開封しないこと。未開封=外部から異物が混入する可能性はほぼないので製造者責任が確定するからだ。

念のため、ここで証拠の写真を撮っておいてもよい。

そのままの状態で冷蔵商品なら冷蔵で、冷凍商品の場合は冷凍で保管し、回収までの間に商品が腐らないようにする。

開封時

商品開封後に異物を見つけた場合はなるべくそのままの状態を保つようにしよう。これは製造元で原因調査をする際、異物が商品の表面に付着していたのか、それとも商品の中に練り込まれていたのか、この違いによってどの工程で混入したのかを特定する手掛かりになるからだ。

念のため、ここで証拠の写真を撮っておいてもよい。

また、異物を取り除いて可食部を食べる行為は絶対にしてはいけない。残りの部分にも異物が混入している可能性もあるからだ。

そのままの状態を保持してラップやジップロックで保管するのだが、冷蔵商品なら冷蔵で、冷凍商品の場合は冷凍で保管し、回収までの間に商品が腐らないようにする。

また、商品のパッケージやレシートは捨てないようにしよう。パッケージには賞味期限などの情報が記載されており、そこからいつ製造された商品かを特定することができるからだ。

もしも、異物によって歯が欠けたり、口の中を切ったりした場合、怪我が酷いと判断したらすぐに病院に行こう。後に治療費を請求するのであれば領収書は取っておくこと。場合によっては診断書が必要になるかもしれないが、これは後日でも発行してもらえるので、その日にもらう必要はない。

連絡先

購入店

購入店に連絡して異物が混入していたことを伝える。普通の店であれば、謝罪に伺う日時を聞いてくると思うので、都合のよい予定を伝える。

店の人が来たら保管していた異物を渡して、商品代金を返却してもらおう。製造元から原因調査の結果などが聞きたい、もしくは調査報告書が欲しい場合はこの時に伝えよう。尚、製造元への連絡は店が代わりに行ってくれる。

もし、店に住所を教えたくない場合は直接購入店に出向く必要がある。その際は異物とレシートを持参しよう。

保健所

保健所に連絡した場合は、後日保健所を通じて原因を聞くこととなる。異物についてはおそらく保健所に持ち込む必要があると思う。当たり前だが、保健所から商品代金の返却などしてもらえない。必要であれば購入店か製造元に連絡しよう。

保健所から製造元に連絡が行くのだが消費者との間に保健所が関わっている分、調査結果の報告までには時間が掛かる可能性もある。

尚、保健所に連絡する人の心理として『直接製造元に連絡しても証拠を握り潰されて有耶無耶にされてしまう』、『異物が混入していたのだから製造元は営業停止になるに違いない』、『大々的にマスコミに公表されればいい』等あるかもしれないが、このような願望はほぼ叶わない。

まず、保健所は食品衛生法違反がなければ本腰を入れない。例えば混入していた異物が軟質のもので怪我をする恐れもなく、拡散性がないと判断されれば、製造元に出向くことすらしない。製造元には原因と対策をまとめた報告書を要請するだけだろう。

勿論その逆もある。消費者に危害を与えるような異物の入った商品が流通し続けているのであれば、直接製造元に乗り込んで調査もするし、世の中に出回っている当該商品のリコールもさせる。原因が分かり是正措置が取られるまでは営業停止になる可能性だってある。ただ、ここまで発展するのはごく稀であり、製造側もこんな大事故を起こさないよう工程内での管理を徹底しているからだ。

消費者センター

僕自身、この機関とやり取りしたことはないが、クレームの連絡を製造元にしてくれる消費者からよく聞くフレーズがこちらである「消費者センターに連絡したら、直接製造元に連絡して下さいと言われた」

仕事しろwwwwww

別に消費者センターをディスるわけじゃないけど、このセリフ聞くの一度や二度じゃないんだよね。興味がある方は消費者センターに連絡してもいいんじゃないかな。

製造元、お客様相談室

これは企業によって様々だが一般的な対応の話をする。まず、異物が混入していた旨を伝えるとメチャクチャ謝られる。次に全力で怪我や健康異常がないか心配される。そして、異常があれば病院へ行くように勧められ、その際の治療費などの話をされると思う。

異物についてはヤマト運輸などで回収便の手配をしてもらえるので、日時と個人情報を伝えよう。もしかしたら謝罪を兼ねて直接回収に伺われるかもしれない。商品代金については現金を返してくれるところもあるし、同額のクオカードなどの金券で対応するところもある。ただし、これらの対応は事故原因をしっかりと究明して消費者に非がないことを確認した後になる場合が多いので、多少時間がかかることは理解しておこう。

もしかすると商品の賞味期限や異物の特徴をこの時に聞かれるかもしれないが、これは異物が届くまでの間に製造日などを割り出して、その日にトラブルなどがなかったか事前調査をするためだ。

最後に調査結果が出たら改めて報告する旨と、あわせて調査報告書を送付する事を伝えられると思う。

異物が混入した原因の報告を受ける

前述した消費者センター以外の連絡先いずれに連絡しても、製造元で原因究明を行い、二度と同じ過ちを犯さないよう再発防止対策がとられる。そして、それを纏めた内容を口頭、報告書、または両方で報告を受けることになるだろう。

もし、製造元から報告を受けるのであれば疑問に思ったことや納得できない点は全て聞いた方がよい。この時の回答の仕方でその企業の事故に対する真摯さが窺えるからだ。

まとめ

今回は食品の中から異物が出てきた時の対処法を紹介した。特に異物の発見時と連絡先で消費者の取る行動を、元品管の立場から詳細に説明できたと思う。もしも、食事中に異物が出てきたら気が動転してしまうかもしれない。それが例えば自分ではなく小さな子供だったらなおさらである。そんな時に冷静に対応できるよう今回の記事が役立てればと思う。

以下、僕が品管時代に参考にしていた書籍。食品工場に携わる方は是非参考にしていただきたい。

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